サハラへの道について

 

■サハラへの道の起源
 

サハラヘの道は、2008年に設立したマグリブ地方のハンドメイド作品をご紹介しているお店です。現在では、2013年に現地で立ち上げのお手伝いをした、NGO「未来へ」のメンバーが切磋琢磨して生み出した素敵な作品を日本をはじめ、海外の皆さまにご覧いただいています。

2008年にこちらのお仕事を始めたとき、現地の実情を目の当たりにしたとき、無知ながらも、生産価格、現地の労働賃金、中間業者の利益、販売価格の間に、大きな格差があるように感じました。その「格差」の原因をつきとめ、少しでも改善できる方向へ促進するために、フェアトレードについて文献を読み進め、その理念に従い、活動を進めています。

"Think globally, and act locally (世界的視野で物事考え、地域的な枠組みの中で行動に移す)"

フェアトレードを語るときに、よく耳にする言葉ですが、まさにこの言葉通り、世界の事情に耳を傾けつつ、自分ができる可能なことを身近なところで行動に移していく。アイン・モシュ村というアトラス山脈のふもとの小さな村で、そこで出会った方々と、知恵を出し合い、夢を語り合い、少しでもその希望に近づけるように、頑張っています!!

■NGO「未来へ」の拠点、アイン・モシュ村

モロッコの古都、マラケシュの近郊に位置するアイン・モシュ村がサハラへの道の拠点です。大道芸人や商人が軒を連ねる世界遺産「フナ広場」のあるマラケシュ市内とは異なり、一面に小麦やオリーブの畑が広がる自然の豊かな地域にあります。

この村には、昔から定住生活を営んできた北アフリカの先住民、ベルベル人の方が多く暮らしています。水源が近くにあるこの村では、アトラスが雪化粧を始めたころに、麦の作付けを行い、その傍らで、年間を通じて季節の野菜が栽培されています。また、品種改良の加えられていないオリーブの木は、所々で小さな木陰を村の方や動物たちに与えてくれます。

各家庭では、ヤギやヒツジ、ウサギやウシなどの家畜が飼育され、動物たちと呼吸を合わせて、日々の生活が繰り返されています。大切な財産としての家畜。そのお世話は、小さな子どもから杖をつきながら歩くお年寄りまで、家族のみなさんの協力の中で成り立っています。

このように、アトラスの麓に広がるこの村では、時には猛威をふるう自然を相手に、自給自足の生活を送ってきました。しかし、近年では、近代化の波が押し寄せ、その生活にも変化が生まれています。これまでは、「聖者」と崇められる人に、診ていただいていた病も、今では、村ごとに診療所が設立されています。収穫物や家畜が治療代として差し出されていた以前とは異なり、診療所では、現金が必要となってきます。ここアイン・モシュ村でも、このような時代の変化への対応を迫られるようになってきました。



■貨幣経済の拡大とフェアトレード活動
 

このようなアイン・モシュ村では、政府の支援を受けて教育施設も建設され、多くの子どもたちに学習の機会が与えられるようになっています。公立の初等・中等学校は、基本的に無料で教育が提供されますが、それでも、筆記用具や学校に通うお洋服にくつなど、ちょっとした必需品の購入をしなければなりません。また、この村では、高等学校はありませんので、子どもたちは、大きな村の寄宿施設に入る必要があります。そのような場合は、寄宿施設への食費や週末の帰宅時に必要となる交通費など、何かと費用がかさむため、進学をあきらめざるを得ない子どもたちもたくさんいます。

これは、ほんの一例です。マスメディアや外部からの情報にも影響されて、この村でも、現金収入を得る必要が出てきました。一方で、そういった現金を必要とするような施設は整えられているものの、肝心の収入を得るようなお仕事は産出されず、かつての生活様式を継続している場合が多いです。そこに、矛盾が生じ、経済格差を生み出す背景が生まれているのです。

このような社会問題を前に、サハラへの道では、何かのご縁でお世話になっているこのアイン・モシュ村で、現地の方の経済的自立を少しでもお手伝いできればと考え、ここにフェアトレード活動を開始いたしました。サハラへの道は、皆様に現地の方が表現するマグリブアートをご紹介すると同時に、マグリブ地域の先住民ベルベル人の伝統工芸品製作技術の保存と、彼らの生活を支援する目的を持ち、現地で活動を続けています。



 
 

【コラム:マグリブ地方と西サハラ】
 

モロッコの位置する北西アフリカ一帯をアラビア語で「日の沈むところ」を意味するマグリブと呼びます。マグリブ地域の大部分は、険しい山岳地帯とサハラ砂漠。この地域に国境が定められる以前、人々は砂漠を横断しアフリカ中部のマリ、セネガルへ、そして時には海を渡りスペインへと自由に旅をし、多様な異なる知識を吸収し自らのオリジナル性を持つ芸術文化を発展させていきました。


しかし、現在では、地図の上に引かれた境界線のために、この移動が制限されるだけでなく、この境界線をめぐる争いが世界の至る所で見られます。マグレブ地域もその例外ではありません。この砂漠の上に引かれた一筋の境界線のために離れ離れになった家族、生まれ故郷の土を二度と踏むことなく息を引き取った多くの人々、現在もなお難民生活を強いられる人々…「国境=人と人の間に作られた人工的な壁」によ
って、国民が失ったものは、「愛国心」の偉大さよりもはるかに大きいのかもしれません。
 

現在、モロッコの南に位置する西サハラ領域について、その独立か、あるいはモロッコ政府下における自治かといった論争中のため、当店では、西サハラ領域を含めた地域を指すとき、国家を表す名称ではなく、地域を表す「マグリブ」という言葉を使用しています。マグリブ地域では、現在においても国境(境界線)を超え、食文化や生活スタイル、言語、音楽、アートなどの芸術に多くの共通性が見られます。当店は、このマグリブ地域のボーダレスな遺産に注目し、芸術品或るいはその製作者を通じて、彼らの抱く「境界線」観をより深く理解していければと考えています。

About the owner

部谷 由佳

フェアトレードショップ「サハラへの道」へご来店いただき誠にありがとうございます! モロッコ、マラケシュ近郊のアイン・モシュ村にあるNPO「未来へ」と協力し、マグリブ・アートを日本をはじめ、世界の皆様にご紹介しております。現地の暮らしや文化、フェアトレードについて店長日記をお届けしています。ぜひご覧くださいませ♪

       ☆商品を生産している仲間のご紹介!職人さんも現地の女性も、それぞれの夢や希望を抱いて日々お仕事に励んでいます。プフの生産者の皆さんを こちらでご紹介しています!

                ☆マルシェバッグは、サハラへの道の工房を中心に、アイン・モシュ村の皆さんと生産に励んでいます。バッグの生産者の女性とお仕事の様子は、こちらでご紹介しています。

           ☆「ボ・シャルウィット」で知られるモロッコのリサイクルラグを生産方法をご紹介しています!作品ご理解のためにも、こちら是非ご覧くださいませ。

       ☆オリジナルプフのご注文を承っております!お客様のインテリアにマッチした素敵なモロッコクッションを生産させていただきます。詳しくは、こちらでご覧ください。

店長が読んだマグリブ・モロッコ関係、フェアトレード関係の本をご紹介しているコーナーです。北アフリカのマグリブ地方に関して研究されている方の本や論文を中心に読み、この地域の理解を幅広い側面で深めていければと思っています。また、当店は、国際フェアトレード規定に順応する活動を行うため、同分野の探求にも力を入れ、より斬新的な活動に挑戦しています。同分野にご関心のある方、ご購入予定の方の参考にしていただけると幸いです。店長の読書感想文

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