店長が実際に参考にしたフェアトレードに関する文献をご紹介しています☆                           
フェアトレードにご興味・ご関心のある方の参考にしていただければ幸いでございます(*^_^*)




 

■Jacquesline Decarlo "Fair Trade" Oneworld Pubns Ltd. 2007


国際連合によると、世界の人口の約半数が一日2ドル以下の生活を営んでいる現状があるという。筆者は、このような貧困に直面している社会的弱者がフェアトレードの拡大を希望していると説くと同時に、「グローバル・ノース」と呼ばれる経済大国において、消費者が直面している健康問題、環境問題、人権問題などを紐解く糸口としてもフェアトレードの重要性を訴えている。
 

本書は、フェアトレードがいかにして、現在の世界システムに変革をもたらし得るかを基本に考察を進めている。まず、フェアトレードの基本概念、その歴史を述べ、「北」、「南」双方で実践されている活動の事例を挙げる。その上で、フェアトレードの利点、問題点を検討。


また、本書ではフェアトレードと自由貿易体制を比較して論じる。「北」の貿易障壁が維持される中、世界銀行をはじめとする国際組織は「南」のそれを撤廃する指導を行う。この動きに従うと、大量生産された安価な商品が流れ込み、地消地産のメカニズムは打撃を受け、小規模経営組織は解体を余儀なくされる。フェアトレードは、この経済システムに変革を求めるため、生み出された概念であるが、その一方で、自由貿易体制の中でこそ、消費者が購入品を自由に選択する権利を有すると説く。筆者は、商品者のこの「自由な選択権」が世界貿易システムに修正をもたらすと信じる。


 


 

■ランサム、デイヴィッド(著)、市橋秀夫(訳)、『フェア・トレードとは何か』、青土社、2004年


まず、フェアトレードが必要とされるようになった理由を、すでに経済力のある者をより富ませ、貧困に苦しんでいる者をより窮地に陥れる「自由貿易」形態に焦点を当てて論を開始。
 

現在、「南」の多くの国が輸出する一次産品は、彼らが「北」から輸入する工業製品に比べ、低額であるため、前者を輸出する国は慢性的な赤字に陥る。そこで、そのような債務国は、IMFによる「構造調整」を導入するに至るが、この制度の導入は、福祉や教育、農民支援、社会基盤の整備など基本的ニーズを満たす妨げとなり、結果的には、小規模農家や低所得者の生活をさらに苦しめている。


著者は、上記のような実態を調査するため、メキシコの輸出向け工程作業を行う工場(マキラ)、ペルーのコーヒー農園、ガーナのカカオ農園、グアテマラとカリブ諸島のプランテーションを訪れ、その詳細を各章で述べている。私が特に衝撃を受けたのは、グアテマラのバナナ・プランテーション。1975年の「ロメ協定」(ヨーロッパ共同体EECとACP諸国との間の経済発展援助協定で、EECとACP商品に対する優遇措置が骨子)は、ヨーロッパ体制に形を変えた植民地主義の遺産と著者が述べているように、プランテーションでは、労働者への有害化学物質使用による毒害、水や電気、時計にまで及ぶ雇用者の管理、27ドル/週という賃金、銃や犬を使った威嚇が報告され、それが意味するものは奴隷制だと指摘している。
 

このような人権侵害をはらんだ「不公正な自由貿易」を正すために、近年脚光を浴びているフェアトレード。それは、?生産者が環境に配慮する手助けをし、彼らの暮らしが少しでも向上するようにきっかけを提供すること、?生産者と常に水平な関係性を築き、それを持続すること、?環境問題、経済格差問題、自分たちが使用する商品のルーツなどを地球規模で考え、それを地域で実践することである。


私たちが普段口にしているバナナやチョコレード。その生産過程で起こっている深刻な人権侵害にこれ以上目を背けてはいられないと同時に、「安い物が欲しい」と価格競争に拍車をかけるのではなく、その価格が適正であるか、今一度消費者自身が商品の背景に目を向ける必要がある。同書は、翻訳に若干問題があるが、フェアトレードの必要性を再認識できる一冊である。

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部谷 由佳

フェアトレードショップ「サハラへの道」へご来店いただき誠にありがとうございます! モロッコ、マラケシュ近郊のアイン・モシュ村にあるNPO「未来へ」と協力し、マグリブ・アートを日本をはじめ、世界の皆様にご紹介しております。現地の暮らしや文化、フェアトレードについて店長日記をお届けしています。ぜひご覧くださいませ♪

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