■「ベルベル人」とは?


 

■どうして「ベルベル人」って言われるようになったの?


  北アフリカの先住民を指すときに、世界的に使用されている呼称「ベルベル人 Berber」。しかし、「ベルベル人」自身は、この呼称を用いりません。「ベルベル」とは、ギリシア語で「蛮人」、「わけの分からない言葉を話す人々」を意味する「バルバロス」に由来するもの。古代ローマ人がこの地を訪れた時、険しい山岳地帯や砂漠など辺境の地で暮らす現地の住民を見て「ベルベル」と呼ぶようになったと言われています。
        

  「ベルベル人」自身は、自分たちのことを「自由人」を意味する「アマズィフト」と呼んでいます。このHPでは、日本で一般的に使用されている「ベルベル」を用いていますが、現地の方とお話しするときには、敬意をこめて「アマズィフト」と呼びたいですね!

 

 


 


■ベルベル人の起源

  アルジェリア南部、タマンラセット近郊の洞窟で発見された壁画には、ベルベル人の祖先の生活の様子が描かれているそうです。この壁画が有力な手がかりとなり、ベルベル人は「北アフリカ最古の民族」と考えられています。現在では、モロッコ、アルジェリア、チュニジア、西サハラ、モーリタニア、二ジェールやマリの一部に点在しているベルベル人ですが、スペイン領カナリア諸島のグランチェ族やエジプト西部砂漠のオアシス都市シーワの住民は、ベルベル語に起源をもつ言語を使用していることから、かつては、北アフリカ一帯に住んでいたと言われています。                               


  モロッコのベルベル人は、?最も古い時期から居住するマスムーダ族、?5世紀に到来したユダヤ教的戒律をもつゼナタ族、?11世紀にムラービト朝の命を受けて南から北進し、モロッコ征服に貢献したトゥアレグ族の系統をひくサンハージャ族を起源とすると考えられています。

 

 




■モロッコのベルベル語                 


  モロッコには、主に3種類(方言)のベルベル語があります。                                 
1) ターリフィート語(北部の旧スペイン領東部で話されている通称リーフ語)                                     
2)タマズィフト語(中アトラス山脈一帯)                                            
3)タシュリヒート語(南部スース地域及び大アトラス、アンティアトラスの一部で用いられる通称シェルハ語)        

その人口規模は、タマズィフト≧タシュリヒート≫ターリフィートと言われています。これらの3つの方言は、言語形態の根幹に関わるほどの違いはなく、各地域のアラビア語借用の度合の差異によって生じたようです。よって、地理的に近接しているタマズィフト語とタシュリヒート語間の会話は可能であり、ターリフィート語話者は、およそ70%のタシュリヒート語を理解するそうです。実際に、私が滞在する地域はタシュリヒート語を話されていますが、ターリフィート語とタマズィフト語を参考にして書かれている参考図書の大部分を理解されます。

 


 

☆コラム≪ベルベル語の現状≫

             

 かつては、モロッコ人のおよそ75%がベルベル語を話すと言われていましたが、現在では国土の半分に相当する地域がアラビア語・ベルベル語併用地域となり、ベルベル語話者の急激な減少が見られます。それは、1965年以降、モロッコ政府がベルベル語教育を禁じてきたため、ベルベル語を軽視する風潮が生まれ、公共の場における同言語の使用を自重する傾向が生まれたからだと考えられています。また、都市への移住者が増加するにつれて、アラビア語使用地域の男性と結婚した女性は、子供にアラビア語で話しかけるという興味深い習慣があるとも報告されています。
                                

  この現象は、大変納得できるものです。ベルベル語使用地域で育った子供たちの中には、小学校に入学して初めてアラビア語を話す機会に接するという児童も少なくありません。アラビア語理解もままならない中、高学年になるとフランス語で理数系科目が教えられるのですから、授業についていけない生徒は自然と学校に行かなくなってしまう。「自分の子供には学校でしっかり学んでほしい」という教育熱心な家庭では、学習に必要のないベルベル語より実践的なアラビア語が優先されてしまうのです。実際に、私が出会った都市生まれのベルベル人の多くは、ベルベル語を理解されない方が多いです。
 

  しかし近年では、ベルベル語を理解しないベルベル人の若者自身が立ち上がり、ベルベル語のルーツあるいは自らのルーツを探ろうとする運動を開始。1981年以来、「ベルベル文字の復興や再生」をモットーにしたベルベル協会主催の夏季セミナーがアガディールで開催されています。こうしたベルベル文化のアイデンティティの再生と復興を主張した動きが各地で広まるにつれて、書店やテレビなどのマスメディアでもベルベル語や文字が見られるようになってきました。

 
 

  一つの言語を長年学習しても、母国語のように自由な表現ができるようになるには、相当の労力を費やします。ベルベル語話者の多いモロッコでは、フランス語教育を取り入れる前に、自国の文化を尊重する心がけを持ち、ベルベル語教育導入に向けて積極的に取り組んでいくべきだと考えます。何千という長い期間を経て築き上げてきたベルベル文化を歴史の中に埋没させないためにも、まず、ベルベル人自身が自らの歴史と文化に誇りを持ち、外部の文化・習慣と上手く調和させていく術を見出して欲しいと思います。



★その他、ベルベル村での生活を店長日記でご紹介しておりますので、現地の方の生活の一コマとしてご覧くださいませ→「ベルベル村通信」

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部谷 由佳

フェアトレードショップ「サハラへの道」へご来店いただき誠にありがとうございます! モロッコ、マラケシュ近郊のアイン・モシュ村にあるNPO「未来へ」と協力し、マグリブ・アートを日本をはじめ、世界の皆様にご紹介しております。現地の暮らしや文化、フェアトレードについて店長日記をお届けしています。ぜひご覧くださいませ♪

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店長が読んだマグリブ・モロッコ関係、フェアトレード関係の本をご紹介しているコーナーです。北アフリカのマグリブ地方に関して研究されている方の本や論文を中心に読み、この地域の理解を幅広い側面で深めていければと思っています。また、当店は、国際フェアトレード規定に順応する活動を行うため、同分野の探求にも力を入れ、より斬新的な活動に挑戦しています。同分野にご関心のある方、ご購入予定の方の参考にしていただけると幸いです。店長の読書感想文

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