★フェアトレードって何だろう?


 

■フェアトレードに参加しようと決心した背景
 

フェアトレードショップ サハラへの道として歩みだしてから、もう6年目。                                                                                     現地に暮らし、生産者と対話し、マーケットに目を向けるなかで、この活動への参加を決心しました。


モロッコの観光都市マラケシュでは、多くの方が様々な形式で工芸生産・販売活動に携わっています。それと同時に、毎年、ヨーロッパをはじめ米国、カナダ、日本などから多くの旅行者が訪れます。このような観光客が、必ずと言ってよいほど訪れる世界遺産フナ広場周辺のスーク。ここでは、他の中東諸国と同様に価格交渉によって、商品の値段が決定されます。価格交渉とは、元来、相手と会話を交わす中で、双方の懐具合を見極め価格を定めるといった習慣。当然、遠くから遥々飛行機に乗ってやって来ることが可能なほど財力を持っている観光客に対しては、現地の人より高額な値が請求されます。
 

近年、旅行者の中には「途上国だから、アフリカの国だから、安いに決まっている」といった先入観を持ち、このような現地の習慣に対し、「ぼったくられた」と感じる人も多いようです。マラケシュに関して言えば、物価は、ヨーロッパのそれと比べ驚くほどの大差はございませんし、ガソリン代や電気代はほぼ共通、車や電気製品になると日本よりも高額です。このような状況の中で生み出される商品です。


そこで、「ぼったくられた」と感じ非常識な値切り交渉を繰り広げる前に、なぜ、その商人は、その価格を提示したのか? どのような社会的背景でその製品が生み出されたのか? 生産者は誰で、何を原料とし、どのように制作したのか? という点にもっと興味を持ち、そして疑問を持ちたいと考えています。



 

■コーヒー豆を例に考える市場価格とその内訳

 

これは、HP左下の参考文献に挙げているディヴィット・ランサムの『フェア・トレードとは何か?』を参照し作成したグラフです。コーヒー豆の収穫や栽培、仕分けといった体力を必要とする生産の大部分を行っている農家のみなさんは、市場で販売されているコーヒー豆の価格のわずか10%しか得ていないことが分かります。一部の資料では、農家の方の受取金額は、市場価格の180分の1とも言われています。


コーヒー豆の生産を実際に行っているのは、農家の人々です。彼らは、コーヒー豆栽培のために、自分たちの住む森を伐採し、その行為が地すべりなどの環境破壊を招いていると自覚しています。森の悲鳴を間近で聞いているからです。その森の声に対し、彼らができることは何でしょうか?                                    森を伐採し、コーヒー豆を栽培し、丹念に一つ一つ収穫するという作業。体力と気力を使い果たして栽培するコーヒー豆。しかし、この労働を引き換えに彼らが受け取る賃金は、あまりに低く、その生活をぎりぎりのところで支えられる程度のものだと言われています。このような生活状況にある農家の人々は、環境破壊を食い止める術も余裕も持ち合わせておらず、日々の暮らしのために再び森を伐採するという悲惨な状況が繰り返されているのです。



 

■「自由貿易」システムの真相

 

買うお店を自由に決める。                                                       
そこで品物を自由に選ぶ。                                                       
私たちがいつも楽しんでいる自由なショッピング。                                          
しかし、この「自由」は、限られた一部の人に与えられたもの・・・


あなたが選んだそのお気に入りの品物。誰が、どのような労働環境・条件で生産したのか、想像してみたことはありますか?
 

グローバル化と言われ、国を超えた活動が活発となる中、経済活動においては「自由貿易」という形を大成させてきました。それは、ふたを開けてみれば、企業が僅かな賃金の獲得のために懸命に働く労働者、つまり、重労働や健康を害する仕事を強いられても「イエス」としか言えない従順な低賃金労働者を選び出すと同時に、生産力を向上させるためには、あらゆる手段(森林伐採、高濃度の農薬散布など)の実行を可能とする場所を「自由」に求めることができるというもの。そんな「自由貿易」は、すでに経済力のある者をより富ませ、貧困に苦しんでいる者をより窮地に陥れるというシステムだと解明されてきています。
 

■フェアトレードへの参加

 

フェアトレードとは、その名の通り、「自由貿易」によって拡大された経済格差を修正するための「公正な貿易」システムを指します。この貿易形態の主な目的は、商品が誰によって、どのようにして生産されているのかを正確に突き止めること、つまり、私たちの生活と密接にかかわっている貿易の道筋を綿密に追い、他人の声に耳を傾けることです。物質のみでつながったグローバル化に陥らないよう、生産者と消費者の心と心が通じあった貿易を推進します。


◎IFAT(International Federation for Alternative Trade)国際オルターナティヴ・トレード組織連盟が定めたフェアトレードの10の基準


1)生産者が経済的自立を達成できるように仕事を提供する                                    
2)事業の透明性を保つため、必要な情報は公開する                                        
3)生産者が技術を向上させ商品を流通させられるよう支援する                                          
4)消費者に生産背景の情報を提供すると同時に、フェアトレードの必要性を訴える                                         
5)生産者に対し、生産者自身が望ましいと考える生活水準を保てるだけの公正な対価を支払う                                              
6)その土地の文化・習慣を十分に理解したうえ、性別に関係なく平等な機会を提供する                              
7)安全で健康的な労働条件(ILO世界労働機関で定められた条件など)を遵守する                                   
8)子供を雇用する際、それが健全な成長や安全、教育の妨げとならないよう生産者とよく話し合う                                 
9)環境いやさしい生産活動を行う                                                    
10)信頼と敬意に基づいた貿易を長期的に行う


国際貿易と言っても、一番大事なことは人と人とのつながり、そしてそれを築く信頼関係です。                      

ひとつの商品を購入する時、その商品を使用する時、それをよく観てみてください。一つの商品の向こう側には、世界が見えます。世界に目を向け地球規模で考える。そして一人ひとりが感じたことを地域で実践していく。そんな思いからフェアトレードへの参加を決めました。

さらに、フェアトレードに関心のある方は、こちらで文献もご紹介しています。是非、ご覧ください★



 
■サハラへの道のフェアトレード活動、「“Fair”「平等」の観点とは?−フェアトレード活動を通じて―」

口で「フェアトレードしています」と言うのは、簡単なことです。
最近では、宣伝文句と言わんばかりに、
流行化している節も感じられるのではないでしょうか。

私も「フェアトレード」に関して、文献等を読んだだけで
それほど、本格的に学問として学んだわけではありません。
ただ、自分なりに、国際フェアトレードの指針を意識して
それをできる限り実現する形を模索している最中です。

そんな中、本日は、この度の新作「ベルベル・バスケット」の制作を通じて感じた
“FAIR” 「平等」の観点とは何かというお話をしたいと思います。

まず、フェアトレードの根本には、経済的なことはもちろん
生産者と消費者、その両者の仲介業者との間の平等な関係を構築する
という考え方があります。
その平等な関係を築くためには、いかなる活動を推進すべきか。

私が感じている現地の生産者との「平等」な関係の構築についてですが
よく耳にするように、所謂「かわいそうな貧しい人を助けてあげる」のではなく
「共に、成長すること」を心がけています。
「フェアトレードの商品だ」という決まり文句で買い手を求めるのではなく
その商品が生み出された過程、品質、生産者からの愛情に共感いただいた方に
お買い求めいただける作品をご紹介していけたらと思っています。
つまり、お買い求めいただくからには、その取引に見合った
品質も求めなければならないということです。
お買い求め金額に対する「平等」です。



現在、サハラへの道が取り組んでいるベルベル・バスケット。
こちらの商品は、ボ・シャルウィットと同様に
図案があるわけでもなく、生産者の女性のイメージにお任せして
制作していただいています。
そのため、生産者の個性や性格により、
とてもユニークなバスケットが生まれてきています。

そうなると、当然のことながら、丁寧に仕上げた品質の良いものと
「とにかく作ってお金をもらう」という感じでお仕事をされた
所謂「雑」な作品もお目にかかることになります。

サハラへの道では、生産者の女性に
世界のどこでも胸を張ってご紹介できる作品を目指していただきたいのです。
それは、「ハンドメイドだから仕方ない」と開き直るわけでもなく
まだ、「手に入る素材が限られているから仕方ない」と言い訳をするのでもない、
「今」、「此処」で手に入る素材を使用して、
個々の生産者が精一杯の技術・芸術性を表現した作品です。

ベルベル・バスケットの場合は
やはり、毛糸の巻き方によって、品質の良し悪しが分かれてきます。
これは、気を付ければ改善できるポイントですので
品質の良いものを生み出された女性には、
ボーナスとして、少し多めにお支払しています。
お支払金額に少し差をつけることで
「ボーナスポイントを受け取るためには、いかなる仕事をすべきか」
という「学ぶ姿勢」を、生産者の女性に感じていただきたいのです。

長くなりましたが、これが私の考える生産者の間での平等、
そして、商品価値とご購入金額の間での平等です。
 

About the owner

部谷 由佳

フェアトレードショップ「サハラへの道」へご来店いただき誠にありがとうございます! モロッコ、マラケシュ近郊のアイン・モシュ村にあるNPO「未来へ」と協力し、マグリブ・アートを日本をはじめ、世界の皆様にご紹介しております。現地の暮らしや文化、フェアトレードについて店長日記をお届けしています。ぜひご覧くださいませ♪

       ☆商品を生産している仲間のご紹介!職人さんも現地の女性も、それぞれの夢や希望を抱いて日々お仕事に励んでいます。プフの生産者の皆さんを こちらでご紹介しています!

                ☆マルシェバッグは、サハラへの道の工房を中心に、アイン・モシュ村の皆さんと生産に励んでいます。バッグの生産者の女性とお仕事の様子は、こちらでご紹介しています。

           ☆「ボ・シャルウィット」で知られるモロッコのリサイクルラグを生産方法をご紹介しています!作品ご理解のためにも、こちら是非ご覧くださいませ。

       ☆オリジナルプフのご注文を承っております!お客様のインテリアにマッチした素敵なモロッコクッションを生産させていただきます。詳しくは、こちらでご覧ください。

店長が読んだマグリブ・モロッコ関係、フェアトレード関係の本をご紹介しているコーナーです。北アフリカのマグリブ地方に関して研究されている方の本や論文を中心に読み、この地域の理解を幅広い側面で深めていければと思っています。また、当店は、国際フェアトレード規定に順応する活動を行うため、同分野の探求にも力を入れ、より斬新的な活動に挑戦しています。同分野にご関心のある方、ご購入予定の方の参考にしていただけると幸いです。店長の読書感想文

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