★リサイクルラグ「ボ・シャルウィット」の生産者とお仕事の様子をご紹介!


 


ベルベル村での暮らしは、リサイクル品であふれています。タイヤやドラム缶、バケツにチューインガム… 使えるものは、どうにかして使う。「エコ」な生活がここでは見られます。
 

中でも、近年日本で注目を浴びている「ボ・シャルウィット」と呼ばれるリサイクルラグ。これは、古着を一つ一つ紐とき色彩豊かな、そしてデザイン性のあるラグに織り上げたもの。ベルベル村の家庭を訪問すると、一家に一枚は目にすることができるというほど重宝されている一品。ウールラグに比べて、洗濯に苦労しないというのも、女性にとって嬉しいこと。

 



■ボ・シャルウィットって何?

 
 

ボ・シャルウィットは、ベルベル語(タシュリヒート方言)で、「ボ」は、日本語訳がなかなか思い浮かびませんが「所有者、オーナー」と言った意味合いがあります。使い方としては、例えば、魚売りのおじさんに対して、そのおじさんの名前が分からないとき「ボ・フート(魚)」などと呼びかけ、男性に対し使用されます。よく似た表現で「バ=父親」がありますが、通常この「ボ」と「バ」は区別して使われます。「シャルウィット」は、古着という意味。

 



■素材は何?どうやって準備するの?

 
 

端切れは、最寄りのスークの仕立屋さんから購入しました。モロッコの伝統衣装、ジュラバやカフタンを制作する際に不要となったラメの入った比較的カラフルな生地やサテン生地などです。ベルベル女性が好む、鮮やかな生地が集まります。


最寄りのスークには、3軒の仕立屋さんがありますが、そこで働くある少年にお願いして、すべての仕立屋さんから、農業用のハンシャ(ビニール袋)パンパンに端切れを詰めていただきます。
 

もう一つの素材、リサイクル生地は、文字通り、破れたりして着ることができなくなった衣服です。
 

 


 

まずは、色分けをします。近所の子供たちにお手伝いしてもらうことも。「これは、黒?」「こっちは、茶色?」と一つずつ確認するまだ小さな女の子も一緒に、みんなでお手伝い〜!子どもたちの個性も垣間見れて、楽しいひと時です。


このとき、汚れのあるものは、取り除いて、後日洗濯します。端切れの大きさは、大小様々。一口に洗うと言っても大変です。こんなに鮮やかなカーテンが、お庭に並びます。
 


 

しっかり乾燥させた後は、生地の中でも使用できるしっかりした部分を裁ちバサミで、1〜2cmほどの幅に切っていきます。 ラグが織られるまでに、見えないところで、さまざまな方が作業に携わり、一つひとつの工程が積み重ねられてようやく一つのラグが姿を現します。
 


お店で購入してきた生地をそのまま使用するのではなく、リサイクル素材であるからこそ手間と時間が必要なのです。物を大事にすること、限りある物資を最大限に活用すること、そして、それに時間を費やせる心のゆとりを持つこと。これが使い捨て社会の中では、忘れられがちなことではないでしょうか。
 



■願いが込められたラグ「ベルベル村から、幸福をあなたへ」

まずは、お庭で基礎糸の準備。ラグの縦の長さに合わせて2か所に杭を打ち、あらかじめ用意しておいた横幅の基礎糸に絡ませながら、2か所の杭の間を往復して縦糸を完成させます。
 

 


 

次に、基礎糸を木板にしっかりと固定し、土台の準備が整ったところでベルベル式「開運祈願」を行います。この日は、近所の年配の女性が、長い竹の木で基礎糸の上を叩きながら、「ファーキヤ」と呼ばれる、平たく言えばラッキーアイテムを唱えながら、ラグが幸運を運ぶように祈願を行いました。


※「ファーキヤ」には、アーモンド、ヘナ、ピーナッツ、ナツメヤシの実などが含まれます。
 

この地域では、ラグを新しく織る際には、必ず、このように開運祈願を行うのが習わしだそうです。毎日、お部屋の中で暮らしを共にするラグですので、特別な想いをこめて織られるのですね!
 


 

 


■ラグ織りの秘訣

 
 

私自身リサイクルラグ「ボ・シャルウィット」の生産に携わってみて、少し、ラグを見る目が養われました。やはり、見て、聞いて、手を動かして、頭を働かせて、肩が凝って… と実践を重ねると、完成したものをただ見るだけのときより、その作品のこだわり具合、オリジナル性、そして生産者の性格なども垣間見られて、ラグから、色々な声を聞くことができるようになりました。


ここでは、より品質の高い、頑丈なラグを生産するコツを少しご紹介。
 


こちらのボ・シャルウィットは、平織りに「ァグダ」と呼ばれるデザインを形作る部分を織りこんだもの。
 

ァグダとァグダの間には、「ジュッラーイ」と呼ばれる平織りを入れます。このジュッラーイの数が多いほど、ァグダが彩るデザインのバランスが崩れてしまいますし、ジュッラーイ部分があちこちから顔を出し、少しかっこ悪いラグになってしまいます。


リサイクルラグを頑丈に作るコツは、ジュッラーイの数を3〜5本程度にすること。また、数だけでなく、ジュッラーイ自体もなるべく細いものを扱うこと。伸縮がきく、綿製のものが適しています。
 

何事もそうかもしれませんが、一つひとつの小さな積み重ねが、ラグという作品を完成させます。ラグ織りには、かなりの時間を費やしますので、その間、生産者の日常生活の中で記憶する出来事が、ラグの中に刻まれていきます。生産者の女性にとって、自分の織ったラグというのは、人生の一ページと同じ。 限られた資源で織られた、手織りの温かさを感じていただければ幸いです。

About the owner

部谷 由佳

フェアトレードショップ「サハラへの道」へご来店いただき誠にありがとうございます! モロッコ、マラケシュ近郊のアイン・モシュ村にあるNPO「未来へ」と協力し、マグリブ・アートを日本をはじめ、世界の皆様にご紹介しております。現地の暮らしや文化、フェアトレードについて店長日記をお届けしています。ぜひご覧くださいませ♪

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店長が読んだマグリブ・モロッコ関係、フェアトレード関係の本をご紹介しているコーナーです。北アフリカのマグリブ地方に関して研究されている方の本や論文を中心に読み、この地域の理解を幅広い側面で深めていければと思っています。また、当店は、国際フェアトレード規定に順応する活動を行うため、同分野の探求にも力を入れ、より斬新的な活動に挑戦しています。同分野にご関心のある方、ご購入予定の方の参考にしていただけると幸いです。店長の読書感想文

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